私が本当に作りたかったのは、スポーツクラブではなく「地域の居場所」でした。④

私が本当に作りたかったのは、スポーツクラブではなく「地域の居場所」でした

第1話では、私が指導者を目指した原点についてお話ししました。

一人の中学生との出会いが、「結果よりも、その子が頑張ってきた過程を認められる場所を作りたい」という想いにつながりました。

第2話では、20年間Sfidaを続ける中で、保護者の皆さんから教えていただいたことを書きました。

私が育てたかったのは、フットサル選手ではなく、人として成長する力だったということ。

そして前回は、「フットサルスクール」という名前だけで、本当に届けたい子どもたちに届いていないのではないか、と感じるようになったことをお話ししました。

今日は、その続きです。


「ここいく浜松」という名前に込めた想い

新しいクラブを作ろうと決めたとき、最初に考えたのは名前でした。

私は、このクラブを「スポーツクラブ」として作りたいわけではありませんでした。

誰かが気軽に来られる場所。

子どもも、大人も、高齢者も、

「今日はちょっと行ってみようかな。」

そう思える場所にしたい。

そんな願いを込めて付けた名前が、

**「ここいく浜松」**です。

「ここに行こう。」

「ここへ行けば誰かがいる。」

そんなふうに思ってもらえる場所になってほしい。

もう一つ、「心を育てる」という意味も込めています。

体を動かすだけではなく、人との関わりの中で心も育っていく。

そんな場所を作りたいと思いました。


スポーツは、人と人をつないでくれる

私は20年間、スポーツには特別な力があると感じてきました。

初めて会った人同士でも、一緒にボールを追いかけると自然に笑顔になります。

子ども同士はもちろん、大人も、高齢者も同じです。

年齢も関係ありません。

職業も関係ありません。

スポーツや遊びを通して、一緒に笑い、一緒に体を動かす。

それだけで、少しずつ距離が縮まっていきます。

だから私は、スポーツを「競技」だけで終わらせたくありませんでした。

人と人をつなぐきっかけとして、もっと地域の中で生かしたい。

そう思うようになりました。


地域には、たくさんの「居場所」が必要です

今、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わっています。

外で遊ぶ機会が減りました。

学校以外で地域の人と関わる機会も少なくなっています。

不登校などで外へ出ることが難しい子どももいます。

一方で、高齢者の方は外出する機会が減り、人と話す時間が少なくなってしまうこともあります。

子どもだけではありません。

仕事や子育てに追われるお父さん、お母さんも、

「地域とのつながりが少ない」

と感じることがあるかもしれません。

だからこそ、私は思います。

地域には、スポーツをする場所以上に、

安心して集まれる居場所が必要なのではないでしょうか。


「できる」「できない」ではなく、「一緒に楽しむ」

ここいく浜松では、

上手い人だけが楽しめる活動はしたくありません。

速く走れること。

ボールを上手に蹴れること。

試合で勝つこと。

もちろん、それも素晴らしいことです。

でも、それだけではありません。

運動が苦手でもいい。

初めてでもいい。

途中で休んでもいい。

見ているだけの日があってもいい。

少しずつ、「やってみようかな」と思えたら、それだけで十分です。

私たちが大切にしたいのは、

「できる人を増やすこと」ではなく、

「また来たい」と思える人を増やすことです。


Sfidaも、これからも変わりません

「ここいく浜松ができるなら、Sfidaはどうなるんですか?」

そんな質問をいただくことがあります。

答えは、とてもシンプルです。

Sfidaは、これからも変わりません。

20年間、大切にしてきたこと。

結果よりも、挑戦した過程を認めること。

子どもの「楽しい」という気持ちを大切にすること。

異年齢で関わり、お互いを思いやる心を育てること。

その想いは、これからも変わることはありません。

ここいく浜松は、その想いを地域全体へ広げていく、新しい挑戦です。


Sfidaの皆さんにも、ぜひ来てほしい

Sfidaに通っている子どもたちにも、ぜひここいく浜松へ来てほしいと思っています。

ここには、普段のレッスンでは出会えない人たちがいます。

地域のおじいちゃん、おばあちゃん。

子育て中のお父さん、お母さん。

学校の違う友達。

大学生。

障がいのある方。

いろいろな人と一緒に活動することで、

「人はみんな違っていい。」

そんなことを自然に感じられる場所になればと思っています。

スポーツを通して、地域の中に顔見知りが増える。

「こんにちは。」

と声を掛け合える人が増える。

それだけでも、地域は少しずつ温かくなっていくはずです。


私が目指している未来

20年前。

私は、フットサルスクールSfidaを立ち上げました。

そして20年間、子どもたちや保護者の皆さんと一緒に歩んできました。

その中で分かったことがあります。

子どもは、認められることで成長します。

仲間がいることで、自信を持てます。

「大丈夫。」

その一言で、一歩踏み出せる子がいます。

だから私は、その環境をもっと多くの人へ届けたいと思いました。

子どもだけではありません。

大人も。

高齢者も。

地域のみんなが、

「ここへ来ると元気になれる。」

「ここへ来ると誰かに会える。」

そう思える場所を作っていきたい。

それが、ここいく浜松です。


最後に

ここいく浜松は、まだ始まったばかりです。

これからどんなクラブになっていくのかは、私たちだけでは決められません。

地域の皆さんと一緒に育てていくクラブです。

だから、スポーツが得意でなくても大丈夫です。

運動不足が気になっている方も。

子どもにいろいろな経験をさせたいと思っている保護者の方も。

久しぶりに体を動かしたいと思っている方も。

まずは一度、遊びに来てください。

何か特別なことをする必要はありません。

そこに来て、誰かと話し、少し笑って帰る。

そんな時間が、地域を元気にする第一歩になると私は信じています。

20年前、一人の中学生との出会いから始まった私の想いは、今、新しい形で歩き始めました。

これからもSfidaとともに、ここいく浜松を、地域の皆さんにとって**「安心して帰ってこられる居場所」**に育てていきたいと思います。

お会いできる日を、心から楽しみにしています。