「先生、うちの子変わったんです。」20年間、保護者の言葉が教えてくれた本当の成長②

保護者の皆さんが教えてくれたこと。私が育てたかったのは、フットサル選手ではありませんでした。

前回のブログでは、私が指導者を目指したきっかけについてお話ししました。

一人の中学生との出会いが、「結果ではなく、頑張った過程を認められる場所を作りたい」という想いにつながり、その想いが20年前にSfidaを立ち上げる原点になりました。

あれから20年。

本当にたくさんの子どもたちと出会ってきました。

そして、その20年間で私が一番多く学ばせてもらったのは、実は子どもたちではありません。

保護者の皆さんからいただいた言葉でした。


フットサルの話ではなく、「子どもの変化」を聞くことが増えました

レッスンが終わったあと。

体験会が終わったあと。

保護者の方から、よくこんな声を掛けていただきます。

「先生、最近家でも自然と挨拶ができるようになったんです。」

「以前より、自分の気持ちを話せるようになりました。」

「学校でも友達を助けることが増えたそうです。」

「学校以外にも仲のいい友達ができました。」

「人の気持ちを考えられるようになりました。」

最初の頃は、不思議でした。

私はフットサルを教えているはずなのに。

どうして保護者の皆さんは、フットサルの話ではなく、子どもの成長を話してくださるのだろう。

そう思っていました。

でも20年間、その声を聞き続けるうちに気付きました。

保護者の皆さんが本当に喜んでくださっているのは、

シュートが上手になったことでも、

リフティングができるようになったことでもありません。

子どもが人として成長したことだったのです。


「先生、家でも変わったんです」

ある保護者の方は、こんなことを話してくださいました。

「今までは、人前で自分の意見を言えなかったんです。」

「でも最近は、自分から『こうしたい』って話してくれるようになりました。」

また別の保護者の方は、

「以前は困っている友達がいても、自分から声を掛けられませんでした。」

「でも今は、自分から『大丈夫?』って言えるようになったんです。」

私は、その話を聞くたびに思います。

子どもは、大人が思っている以上に、周りの人との関わりの中で育っているのだと。


なぜSfidaでは、そのような変化が起きるのでしょうか

私自身も、よく考えることがあります。

なぜSfidaでは、技術だけではない成長が生まれるのだろう。

もちろん、一つの理由だけではありません。

でも、私が大切にしてきたことがあります。

それは、

「子ども同士が育ち合う環境」を作ることです。


異年齢だからこそ学べることがあります

Sfidaでは、年齢の違う子どもたちが一緒に活動しています。

年上の子は、自然と年下の子を気に掛けます。

転んだ子がいれば手を差し伸べます。

初めて参加した子がいれば、

「一緒にやろう。」

と声を掛けます。

年下の子は、そんなお兄さん、お姉さんの姿を見ています。

「自分もあんなふうになりたい。」

そう思いながら少しずつ成長していきます。

大人が教えなくても、

子ども同士だからこそ伝わることがあります。

私は、その力を何度も見てきました。


勝つことだけを目的にしていません

もちろん、試合では勝てた方がうれしいです。

でもSfidaでは、

「勝つこと」が一番の目的ではありません。

子どもたちには、

「楽しかった。」

「またやりたい。」

そう思って帰ってほしい。

だから、失敗しても責めません。

チャレンジしたことを認めます。

できたことを一緒に喜びます。

昨日までできなかったことが、今日一つできた。

その小さな成長を大切にしています。


小さな成功体験が、自信につながる

子どもは、

「できた。」

という経験を積み重ねることで、自信を持つようになります。

最初はボールに触れなかった子が、

少しずつ走れるようになる。

友達と話せなかった子が、

「一緒にやろう。」

と言えるようになる。

人前に出られなかった子が、

笑顔でゲームに参加できるようになる。

その一つ一つは、小さなことかもしれません。

でも、その小さな成功体験が、

やがて学校生活や家庭生活にもつながっていくのだと思います。


私はフットサル選手を育てたかったわけではありません

20年間、保護者の皆さんの話を聞きながら、私はようやく気付きました。

私が育てたかったのは、

フットサル選手ではありません。

自分を大切にできる子。

仲間を思いやれる子。

挑戦する勇気を持てる子。

失敗した友達に、

「大丈夫。」

そう声を掛けられる子。

そんな人としての土台を育てたいと思っていたのです。

だから保護者の皆さんは、

技術よりも、

子どもの心の成長を喜んでくださったのだと思います。


でも、一つだけ気になることがありました

20年間、子どもたちの成長を見続ける中で、あることが気になり始めました。

運動が苦手な子。

人見知りの子。

障がいのある子。

不登校で外へ出る機会が少ない子。

本当は、そういう子どもたちにこそ、この環境を届けたい。

でも、

「フットサルスクール」という名前だけで、来ることを諦めている人がいるのではないか。

そう思うようになったのです。

その気付きが、私に新しい挑戦を決意させました。

そのお話を、次回お伝えしたいと思います。


次回予告

第3話

「フットサル」という名前が、本当に届けたい子どもたちを遠ざけていた。

20年間活動を続ける中で気付いた、一つの大きな違和感。

そして、私が新しい挑戦を決意した理由について、お話しします。